ちょっとシニアチック Watercolor by Osamu 水彩画家のロス日記 Watercolorist Diary

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2007年 04月 30日

その 1

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過酷な生活状況であっても、
その世界しか知らなければ結構幸せに暮らせるものだ。
特に子供にはその能力が有る。
自分の子供の頃を思い出すとそんな気がする。
極貧の生活だったが、思い出すのは楽しい事ばかりだ。

ぼくの生まれた家は古材を集めて作った掘っ建て小屋であった。
家の西側には大きな桃の木が有った。
その実は誰でもが思い浮かべる桃色ではなく薄い緑であった。
外側が短い毛で覆われていて、「毛桃」と呼んでいた。
玄関を入ると大きな土間が有った。
冬には雪が吹き込む隙間だらけの家。
剥き出しの屋根裏が囲炉裏の煤で真っ黒だった。
その家で厳しい北海道の冬を生き延びた。

両親は農家を営んでいた。と言えば聞こえは良いが小作農である。
働けど働けど全ては地主に吸い取られた。
畑には有り余る程の作物が有っても、
我が家では今日の食事に事欠く状態だった。
我が家の主食は粟やトウモロコシの砕いた物だった。
時には少量の米が入っていたのかもしれないが記憶に無い。
粟だけでは味が無いとカボチャを入れたりした。
それが特別の日のごちそうだった。
 
家から村の中心まで4キロの山道を歩いた。
我が家から山を抜けると、やがて両側に水田や畑が広がる。
村の中心は小高い丘に成っていて、
その北側に村人達が向山と呼ぶ大きな山が有った。

ぼくの人生はこの美しい北海道の大自然を出発点として
始まろうとしていた。

(続く)
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by shinia62 | 2007-04-30 00:35 | Comments(4)
Commented by Ladyinnj at 2007-05-02 22:52 x
まるで北の国からの世界ですね。
全編見終わりましたよ。いいドラマでした。
時々テーマソングが頭の中をぐるぐる回ってます。
Commented by shinia62 at 2007-05-03 06:59
ladyinnjさん
いいドラマでしたね。北海道の大自然がとても美しかったです。実際そこに暮らした経験の有るぼくには、手放しで美しいと言っていられませんが。冬の辛さが蘇りました。
Commented by dairinji-nekko at 2007-05-05 20:34
さむさんの生まれ故郷にて、15回目の桜咲く季節を迎えようとしています。振り返ると夢のように思えます。
これからも夢の続きかも?
雪解け水の冷たさ、吹雪の体感温度、夏の雲、青く広い空、初霜の朝の香り、、、。
続編、楽しみにしています。
Commented by shinia62 at 2007-05-07 11:58
dairinji-nekkoさん
ぼくの故郷へ来て15年ですか。僕が故郷で暮らしたと同じ年月です。15歳で故郷を出ましたから。子供の頃の思い出をどんどんブログに書いて行くつもりです。宜しくね。


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