2007年 03月 28日

バックグランド人生

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車の助手席に荷物を放り込む。
スーツの上着を脱いで運転席に座ると、
そのまま暫くぼうっとしていた。
つい先ほどまで撮影スタッフにありがとうございました
などと笑顔で言っていた自分が信じられない。
気が緩んだら凄い疲れに襲われた。
何時もなら撮影が終われば急いで家に帰るのに、
今日のぼくはもう動くのも嫌だ。

コールタイムは午前9時30分だった。
ぼくは現場に8時半に着く。
撮影現場が家に近いので楽だった。
「ちょっとあんた早過ぎよ」
などと言われ乍ら、用意されている朝食を頬張る。
1時間も早く来たのは
衣装の事で時間が掛かるだろうと予想したからだ。
三つ揃いのスーツとか、ドレッシーなシャツだとか
ぼくにとっては困ったリクエストだった。
仕方が無いので30年前の紺のスーツを着た。
それが駄目なら衣装係がなんとかしてくれる。
つまりそのなんとかする時間を作ろうと早出した訳だ。
しかし、衣装係はコールタイムまで来ないのだから、
早出は全く無駄なのだった。

でも幸運の女神はそんなぼくをちゃんと見ていて
思いっきり微笑んだ。

以前、僧侶の役を貰って喜んだが出番が無かった話しを書いた。
エキストラの場合、ある役に2人のエキストラを用意して
撮影時に中の1人を選ぶと言う事をする。
つまり、ある役で雇われても現場でもう一度選考がある。
と言う事だ。
ぼくはそんな状況下の競争が嫌いだ。
なにしろ現実の世界でバックグランド(エキストラ)
の様に生きてきた。
「同じ役がもう一人居るんですか。
それならぼくは遠慮してあなたがどうぞ」
と引っ込んでしまいそうだ。

今回もぼくの役は2人居た。
キャスティングの女性の話しを聞いて初めて知った。
9時20分、もう一人はまだ来ていない。
キャスティングの女性がラジオでセットの誰かと話している。
「もう一人がまだ来ていませんが
サムを使ってリハーサルしますか」

リハーサルが始まった。
そしてそのままぼくが役に決まった。
早起きは三文の得。
他人にはどうでも良い様な些細な事で
日本人シニアの運命は大きく変わるのであった。
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by shinia62 | 2007-03-28 13:33 | はりうっど、ハリウッド | Comments(6)
Commented by genova1991 at 2007-03-29 16:21
今年は映画テレビのお仕事が矢継ぎ早にどんどん入るのですね。
大活躍の年になりそうです。
黄金の豚年はいいことが沢山あるとか^^
Commented by shinia62 at 2007-03-30 00:37
genovaさん
今年は「黄金の豚年」なんですか。エキストラに登録して過去三年間は年に2、3件の仕事だったのに、今年はもう過去3年分仕事来ました。どんどん仕事が来る様に成ったらどうしよう、、。うれしいけど不安(笑)。
Commented by Ladyinnj at 2007-03-30 08:01 x
やっぱり携帯電話の効用でしょうか、お仕事がどんどんくるようになったのは。
かなりお疲れだったんですね。この日の撮影は長かったのですか?
Commented by genova1991 at 2007-03-30 10:56
確か前にま〜さんも書いてらしたように思うのですが、日本以外では「イノシシ」ではなく「ブタ」なのですって!@干支
それも滅多に回ってこないGolden Pig!やはりご利益ありましたねぇ〜携帯のご利益かしら(^_^;)
Commented by shinia62 at 2007-03-30 11:55
ladyinnjさん
今回の仕事は今年の仕事で一番短時間の5時間でした。其れまでのエキトラとは全く違った重要な役立ったので、緊張の結果疲れた様です。言われて気が付いたのですが、携帯電話の効用は大だと思います。携帯買ったのが昨年12月、今年に入って仕事がどっと増えた。エージェントは携帯の無いエキストラには電話したくないのでしょうね。なかなか捕まらないなんて事にも成るので。
Commented by shinia62 at 2007-03-30 11:59
genovaさん
なるほど今年は黄金の豚歳ですか。滅多に来ない。何年毎に来るのでしょうね。次は100年後とかでしょうか。猪より豚が可愛いので外国では豚年にしているのかな。


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