ちょっとシニアチック Watercolor by Osamu 水彩画家のロス日記 Watercolorist Diary

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2006年 06月 14日

厚生年金の現実 2

 以前、日本国総領事館は小東京に有った。領事館の場所としては
理想的で重宝がられた。10年程前、突然移転の話しが出た。理由
はスペースが狭く成ったためと言う。小東京の日本人を中心とした
移転反対運動が持ち上がった。結果は結局移転したのだが。新しい
場所は評判が悪かった。高層ビルが多い高級ビジネスが集まるバン
カーヒルス。駐車場は1時間12ドル、一日の料金は30ドルもす
る。出来るなら行きたくない場所なのだ。そうは言っても日本人で
あれば何時か行く事に成るのだが。

 その日本国総領事館へ行く事に成った。在留証明を取る為だ。厚
生年金受給申請に欠かせない書類。
 バカ高い領事館の駐車場を避け、小東京の駐車1日5ドルを利用
する。6ブロック程歩くけれど、それで25ドル節約出来るならな
んでもない。高層ビルの17階が領事館。1階ロビー・カウンター
でIDを見せ、それからエレベーターに向かう。以前より明らかに
チェックが厳しい。領事館の入り口では金属探知機を通らねば成ら
なかった。

 窓口の女は在留証明の用紙を取り出し質問を始めた。その用紙は
簡単な内容に見える。領事館で何かの書類を書くのは緊張するもの
だ。彼女が書き込みもやってくれる。ホッとした。しかし、市民権
の事を訊かれた辺りから様子が変わった。それまで問題無く書き込
んでいた書類の手が止まり、女が奥の部屋へ消える。やがて戻って
来た女が言った
「あなたの米国在留証明はここでは出せません」
 と言う。アメリカ国籍の人はアメリカの公証人を雇い在留証明を
作成するのだと言う。女は続けて言った。
「国籍喪失届けを出していますか」
 それは始めて聞く言葉だった。
「アメリカ市民に成った時点で日本側へ提出する書類です」
「やってません」
 私は口籠りながら答えた。黙っていたら日本国籍はそのまま、と
軽く考えていたのだがここへ来て暴露される(笑)。国籍喪失の文
字が凄い力で胸を打った。日本国籍を失う現実を実感したのは、こ
の時が初めてだった。アメリカ国籍取得に浮かれていたのだ。
 公証人(Notary Public)事務所を紹介され、「国籍喪失届け」な
どと厳めしいタイトルの書類を渡され、領事館を後にした。軽い気
持ちで始めた厚生年金受給申請準備だが、意外な方向へ進み始めた。
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by shinia62 | 2006-06-14 12:36 | Comments(2)
Commented by kimiko at 2006-06-14 17:06 x
続きに関心がありました(笑)
喪失って言葉、響きがいやですよねえ。
国籍喪失って なんか日本から切られたって感じします。

国籍を2つ持てる国もあるのに やはり日本は閉鎖的な国ですねえ。
続きに関心あります。
Commented by shinia62 at 2006-06-14 23:02
国籍返上届けとかにして欲しいですね。
国籍喪失は国籍剥奪程のショックが有ります。
二重国籍を許される国の方が多いのでは。
日本は確かに閉鎖的。
まだ本番の年金受給書類を書かなければ行けません。
これが凄い量。
間違いなく書き終えるなんて不可能。
どうなりますか。


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