ちょっとシニアチック Watercolor by Osamu 水彩画家のロス日記 Watercolorist Diary

shinia62.exblog.jp
ブログトップ
2013年 05月 27日

魔法の言葉で過去へ飛ぶ

c0053177_831368.jpg


 昨夜の事である。夕食のためN氏と2人でもう一人の知人M氏を迎えに行った。彼は袋小路の中程に有るアパートの一階に住んでいる。私としては初めて見る彼の住まい。N氏が車を停めると私は車を降りてM氏のアパートへ。開け離されたドアにはペット用の柵が立て掛けられていた。その中で元気の良い小型の犬が二匹飛び跳ねている。そこから大声で声を掛けると直ぐ彼が出て来た。車に戻ると背の高い男が運転席側に立っていてN氏と話している。N氏も知らない人らしいが向こうから話しかけて来たとか。

 私が車に乗り込むのを見てその男が言った。「貴方は日本人か」。そうだと答えると「日本語を話せる人がいるんだよ」と興奮気味に言う。彼は少し離れたところで何かやっている男に叫んだ。「へい! 日本人が居るよ」。まるで珍しい動物でも発見したような言い方だ。呼ばれた男は直ぐ我々の車のところへやって来た。その彼も日本人に興味津々と言った態度だ。運転席から覗き込むようにして「本物の日本人か」と目を輝かせる。日本人が多いロサンゼルスで珍しがられるのも変な気持ちだ。まあ、決して悪い気はしないが。そして彼は英語訛の日本語でいろいろ質問するのである。「アナタハ、ニホンカラキマシタカ、スキヤキ、サクラ、ゲイシャ、トシロウミフネ」てな感じで。なんてことを一瞬思ったのだけれど、彼の口からは訛の無い奇麗な日本語が滑らかに飛び出したのである。「随分日本語が上手いですね」と私。「日本に何年か居ましたからね」「日本へは仕事で行ったのですか」「教会の伝道で行ったのです」。それを聞いてN氏が「教会ってどの教会ですか」と訊く。「モルモン教会ですよ」。

 おお、懐かしい教会名。日本ではモルモン教会に無料英会話教室が有った。近くの教会へ通った事も有る。宗教に興味は無いが英会話の為だ。そこには透き通るような白い肌で亜麻色の髪の女性が、いや、少女みたいな若い女性が居た。彼女が英会話の先生だった。教会の名前を聞いた瞬間、私の頭の中にあの少女の姿が鮮明に浮かんだ。

 私達の会話はなかなか終わらない。「そろそろ行かなくちゃ」と言いながら又話しに引き込まれる。思えば不思議な出会いであった。モルモン教会は魔法の言葉。私の思いは一気に55年前の北海道小樽市へ、丘の中腹に有ったモルモン教会へ、そしてあの美しい少女へと飛んだのであった。「お〜い、腹減ったぞ」と叫ぶM氏の声に、ロサンゼルスの袋小路へ引き戻されるまでは。

↓クリックするとこのブログの人気順位が見られます。
にほんブログ村 美術ブログ 水彩画へ


[PR]

by shinia62 | 2013-05-27 12:37 | シニアの時間 | Comments(2)
Commented by Marrrsan at 2013-05-27 13:45 x
モルモン教の伝道師はほんとに日本語がうまいですね。
モルモン教的英語(外国語)マスターする方法とか言う
本でも出したら売れるかも。いや宗教の名が入ると売れないかな。
Commented by shinia62 at 2013-05-27 21:14

ま〜さん
彼等は言葉を訓練する施設が有り行く国々の言葉を学ぶのでしょうね。知らないけど。今度又偶然合う事が有ったら効いときます。笑




<< ドミンゴス・チャンネル      土曜日は知人と夕食を、、 >>