2013年 02月 20日

海葬

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 朝起きて外を見る。暗い。曇り空だなあ。いや、雨が降っているみたいだぞ。今日と言う日にぴったりの空模様ではないか。そうなのだ、今日は最近亡くなった知人の海葬の日だ。彼女の死後の望みは灰を海に撒いて欲しいと言うことだった。午前8時半、集合場所のパシフィックスクエアーまで車を走らす。駐車場に付いたら立派な黒塗りの(実際は濃い青の様だった)大きなミニバスが泊まっていた。直ぐそれに乗り込む。海葬の場所はサンペドロ、ポート・オ・コール。以前よく行った懐かしい場所だ。空は相変わらず暗い。しかし雨は止んでいる。この調子だと一日雨の心配はなさそうだ。港に着くと持って来た傘をバスに置き外へ出た。

 私たちが乗る大型ボート(小型船?)が停泊している。白い髭の船長が乗客に挨拶している。思うのだが船の船長は何故か白い髭の年配だ。というよりそれが似合う。それは船長に成る資格の一つかと思う程。船に乗る長い列がなかなか進まない。入り口に線香が点されて一人一人焼香しているからだった。全員が乗り込むと坊さんのお話やお祈りが有って船は動き出した。初経験なので興味津々。なんて事を言ったら怒られちゃうかな。

 船の前方に移動して海を眺める。寒い日だ。風が強い。船長が乗客の間を回って話しをしている。私の所へ来たとき「この船は防波堤の外へ出るのか」と訊いてみる。一応その積もりだが波が高い場合防波堤の中へ戻りそこで灰を流すそうだ。外へ出るとさすがに波が高くなり結局防波堤の内側でセレモニーが行われた。灰を撒くと聞いていたので、皆で節分のまめみたいに撒くのかと思ったがそうではなく籠に入れた灰をロープで静かに海面に降ろした。海面で横たわった籠から灰を入れた小箱が流れ出て波間に揺れる。其の後籠は引き上げられ私達は花束を投げ入れた。花達の赤、ピンク、白、紫それらの色が暗い波間に揺れながら遠ざかる。直ぐ近くにアザラシやペリカン達が居てそれを眺める。予想以上にロマンチックで感動する光景だった。誰かが言っていた、葬式は死人の為にするのではなく生き残った人の為にするのですと言うこ言葉が頭に浮かぶ。其の意味が解るような気がした。その後私達は集合場所に戻り、そこに有る中華レストランで昼食をした。

 暗くて寒い日であったけれど、心の中に暖かなものがずっと灯っていたシニアである。

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by shinia62 | 2013-02-20 13:27 | シニアの時間 | Comments(4)
Commented by 和美 at 2013-02-24 14:34 x
海葬というのは良いかも知れませんね。そういうことは早めに決めておかないと思っていながら何も決めていません。その船長さんは、海葬を仕事(と言うと変ですが)にしているんでしょうか。誰にでも頼めるわけではないですよね。
Commented by shinia62 at 2013-02-24 23:44
和美さん
ボートを貸すのが商売でその一つに海葬サービスがあるようです。ハーバーの遊覧なども引き受けると思います。というよりそれがメインなのかもしれません。船の作りがそのようでした。
Commented by 和美 at 2013-02-25 02:21 x
箱が籠に入っているんですね。アメリカの映画で見ると例のつぼのような入れ物から直接海だった記憶がありますが、船の上だと風もあることだし、何か手段が必要でしょうね。

主人のお母さんが、お兄さんを海に葬るのをクルーズ船からしたので、ちょっと気になりました。そう言えば実際どのようにしたのか聞いていません。
Commented by shinia62 at 2013-02-25 07:36
和美さん
海の上で灰を撒くのはかなり難しいと思われます。風が強いので灰がこちらに舞って来て灰まみれに成りそうですね。箱に入った灰を籠で海の表面に降ろすのは安全ですし、花も一緒なので結構ロマンチックでもあります。


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