2012年 05月 12日

ポールの手紙 2

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 メキシコへの手紙は時間が掛かる。かの国は公共サービスが腐敗していて当てに成らない。安全に郵便物を届ける為アメリカのサービスを使う。どう言う事かと言うと、先ずポールの手紙をテキサスの配達サービス会社へ送る。そこからメキシコ内にあるその会社の各オフイスに直接配達される。ポールは一番近いオフイスに郵便物を取りに行くのだ。

 そんな訳で何事もなくスムーズに手紙のやり取りが出来たとしても、こちらから手紙を送り向こうから返事が来るまで一ヶ月以上はたっぷり掛かった。ポールも私も返事は直ぐ書く方なので決して筆無精の結果ではない。

 久し振りに書く手紙は長い内容になった。一ヶ月以上も間があるので書く事は沢山あった。私としては驚異的に長い英文を月に一回19年間書き続けた訳だ。少しは英作文の進歩に役立っていたと思う。まだコンピューターは持っていなかった時代は古いブラザーのタイプライターをがちゃがちゃ言わせながらたどたどしい英文を書いていた。

 ポールは毎年一度ロサンゼルスへ帰って来た。二週間の旅で何時も私の家に一週間、ロングビーチの友人の家に一週間滞在した。旅の目的は買い物と美味い食事。私はその度に駆り出された。買い物はともかく洒落たレストランの食事には大喜びで付いて行った私である。

 そのポールも亡くなる三年前からロサンゼルスへ帰らなく成った。78歳になっていた。そして最後の手紙が届いたのは亡くなる一週間前であった。手紙の日付は十日である。最後にこちらから出した手紙はポールの死後向こうへ届いただろう。私からの最後の手紙は2009年7月27日付けだ。ポールは8月1日に亡くなった。

 私が受けた手紙は殆ど取ってある。机の一番下の大きな引き出しの中だ。そろそろ整理しようと引き出しを開けたら、思いでがどっと溢れて遠い昔に引きずり込まれてしまった。

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by shinia62 | 2012-05-12 07:57 | シニアの時間 | Comments(2)
Commented by 和美 at 2012-05-16 12:28 x
良い友達だったんですね!英語の勉強にもなったし。19年間とは友情、結婚、勉強も、なかなか続くものではないです。

ところで、サムさんの記事にスカイプで日本に電話するというのがありましたが、父の具合が悪くなったので、ついに使ってみました。これから何回話をする必要があるかわからないので、貧乏画家としては大助かりです。楽しいだけでなく、ためになるブログだと、また証明することになりました。
Commented by shinia62 at 2012-05-16 21:20
和美さん
彼とは通算26年間の付き合いでした。19年間はメキシコへ移ってからの年月です。/ネットを使った安い電話は他にもあるようですが私が使うのはSkypeだけです。助かってます。


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