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2011年 02月 16日

看板職人時代 10

看板職人時代 10_c0053177_8451642.jpg


 「どうしてアメリカへ来る事に成ったのですか」と訊かれること
があります。私の答えは「それは、ある日書店で立ち読みした事で
すかね」と何時も答えています。相手を煙に巻くような抽象的な答
えかも知れません。しかし、人生の大きな方向が決まる切っ掛けは、
本当に些細な事だったりするのです。ずっと後に成ってそれに気が
付くのですね。

 1960年代初めの夏の事でした。札幌の駅前通りにある書店に
入ったのです。欲しい書籍が有った訳では有りません。暇なので立
ち読みでもしようか、其の程度の事でした。あちこちで私と同じ考
えらしい人が本のページを捲っています。中にはしゃがみ込んでじ
っくり読んでいる若い男もいました。私は目的も無く棚に並ぶ書籍
の背表紙を目で追っていました。そんな時、あるタイトルが私の目
にとまりました。「英語に強く成る本」。中学の頃英語と日本歴史
が一番苦手な科目だった私です。それなのにこのタイトルが気にな
ったのは、それが当時のベストセラーだったからだと思われます。
私はそれを手に取るとページを捲ってみました。一ページ毎にイラ
スト入りの英語のセンテンスが一つあり、それを毎日覚えたら一年
で365のセンテンスを覚える。そんな売り込みでした。

 英語嫌いなはずの私がいつの間にか其の内容に引き込まれていま
した。立ち読みのはずが、其の本を買い家へ帰ったのです。ページ
に載っていたセンテンスを全て暗記した訳では有りませんが、英会
話を勉強しようと決心した訳です。NHKラジオ英会話を中心に勉
強を始めました。短い間ですが英会話クラスへ通った事も有りまし
た。

 其の頃私は小樽市に住んでいました。小さな港町です。時には外
国船も帰港するので繁華街では外国人の姿も見かけます。英会話を
勉強した人ならば解るでしょうが、簡単なセンテンスを覚えると実
際に使ってみたく成るものです。私だって例外では有りません。腕
試しがしたくてうずうずしてました。もっとも外国人に話しかける
勇気はありませんでしたけれど。

 英会話を始めた事で外国への興味が湧き、何時かは海外へ行こう
なんて夢が膨らむのですね。60年代後半の事です。海外無銭旅行
と称してバックパックを背に若者の海外旅行がはやりました。そし
て決まった様に彼らは帰国後本を書くのです。それらを読みあさっ
ていた私でした。もうどうにも止まりません。海外無銭旅行。この
文字が頭から離れなく成りました。こうなったら実行するしか有り
ません。

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by shinia62 | 2011-02-16 08:50 | 過去日記(◯◯◯◯年 ) | Trackback | Comments(2)
Commented by はにはにの母 at 2011-02-18 13:16 x
やっと、この話が聞けますね。
実はききたかったのです。
なんでアメリカに40年?ってことになったのか。
この先の話、楽しみーーーー。
Commented by shinia62 at 2011-02-18 23:39
はにはにさん
英会話をべんきょうしていた頃、楽しかったな。思い出しますいろんなエピソードを。


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